子宮内膜症の治療は様々で、内膜症の大きさ・患者の妊娠希望無・年齢等に応じて治療法が選択されます。
★子宮内膜症の治療法についてはこちらをご覧ください。
子宮内膜症の主な症状は生理痛や不妊症です。
命にかかわるような病気ではありませんが、チョコレート嚢胞が5~6cmを超えた場合は卵巣捻転(卵巣がねじれたり破裂すること)を引き起こす可能性がある為、状況によっては緊急手術が必要となります。
チョコレート嚢胞の手術に対する考え方は、お医者様や病院によって大きく異なります。
中には、チョコレート嚢胞の大きさ・妊娠希望に関係なく、積極的に手術を勧める方もいらっしゃいます。
個人的には、妊娠を希望する人は、チョコレート嚢胞の手術をしない方が良いと思っています。今回は、妊活中の私が手術を回避したい理由(手術のリスクやデメリット)についてご紹介します。
卵巣機能が低下する可能性がある
チョコレート嚢胞の腹腔鏡手術により、卵巣機能が低下する可能性があるという研究結果が複数発表されています。
具体的な研究内容は、チョコレート嚢胞の腹腔鏡手術の術前・術後にAMHを測定したところ、術後に低下が認められたというものです。
★AMH(抗ミュラー管ホルモン)については、こちらをご覧ください。
術後にAMH値が低下する原因としては、
・チョコレート嚢胞を摘出する際に、卵巣の正常な部分も一緒に切除されてしまう
・卵巣からの出血を防ぐために、電気メスを使用するため卵巣に悪影響を及ぼす
等の理由が考えられます。
AMH値は年齢と共に減っていき、増やすことは出来ません。
チョコレート嚢胞が不妊の原因となっている場合は、手術により妊娠しやすくなることはありますが、卵巣へのダメージについても認識する必要があります。
子宮内膜症は再発する可能性が高い
チョコレート嚢胞は手術後の再発可能性が高い病気です。
手術後2年以内の再発率は20%、5年以内の再発率は50%前後と言われています。
再発を防止するためには、術後の定期的な通院・検診は必要不可欠です。
また、万が一、チョコレート嚢胞が再発した場合、卵巣へのダメージを考えると再度手術は出来ない可能性もあります。
その際は手術以外の治療について検討をします。
お腹に傷が残る・出産の際に帝王切開となる
チョコレート嚢胞の手術は腹腔鏡手術が主流となっています。
(病状によっては開腹手術が必要な場合もあります。)
腹腔鏡下手術は、お腹に2~4か所、1~3cm程切開して、そこから専門の手術器具を使いモニターを使い手術を行います。
比較的、傷も小さく身体への負担が軽いと言われていますが、術後の傷跡が残らないわけではありません。
また、手術後に妊娠が出来たとしても、出産の際には手術の影響により帝王切開となる場合があります。
子宮内膜症手術のリスク&デメリット まとめ
・手術により、卵巣機能が低下する可能性がある
・子宮内膜症は再発の可能性が非常に高い
・手術による傷は避けられず、出産の際に帝王切開となる可能性がある
私は今、不妊治療を病院で受けています。
私が通院している病院では、私が20代であることと妊娠を希望していることを踏まえ、手術はせずに不妊治療を優先する方針となっています。
(もちろん、私自身の希望も反映された治療方針です。)
今回は、子宮内膜症手術のデメリットをお伝えしましたが、もちろんメリットもあります。
子宮内膜症が原因と思われる不妊症の患者が、手術後に妊娠した事例も多く、また、手術により生理痛が無くなる・改善する可能性も非常に高いです。
子宮内膜症の治療法は様々です。自分が一番優先することは何かを考え、慎重に判断するのが一番だと思います。